タイサンボク
仕事中、郵便局にお使いに行く途中で、
タイサンボクの花が咲いているところを通り過ぎた。
白くぽてりとした花はとてもいい香りがしていて
立ち止まりたくなった。
今年は空梅雨だからか、少し早いような気がした。
タイサンボクの花弁を見かけると、
付喪神にとってあの白い花弁は割れた盃の代わりになるという
御伽噺を思い出す。
瓶子の付喪神は当然お酒好きであり、
けれども相方だった盃はずいぶん昔に割れてしまい他の手の盃では呑めず。
ところが初夏の時季のみは泰山木の花弁を盃にして酒が飲める。
あなうれしや。と。
のんべえの末席に手を挙げたい身としては、
盃の無い辛さは想像に難くなく、
タイサンボクのあのとても良い香りがお酒にうつったなら、
それはまたとても美味しいお酒になりましょう。
とも、考えるだけでもわくわくする。
どこかでひとひらいただけないものだろうか。
(あ、ひとひら、は、一枚とも書けるのだなぁ。)
そんなことを考えながら
帰りの道でも同じ木の横を通り過ぎ、
そして通常業務に戻ったのでありました。
次の休みは、あの道を散歩してみようか。
それまで、あの木の花は咲いていてくれるだろうか。
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